君の身体が好きなんだ。

■ヘアスプレー
アダム・シャンクマン監督/2007/米/原題:Hairspray

ヘアスプレー [DVD]

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サイコーにご機嫌なリズムと、サイコーにご機嫌なダンスの映画。
衣装も音楽もダンスも、完全に60年代風に作られているところもカンペキ。
あぁ、僕は何だってこんなにも60年代に惹かれてしまうんだろう?



神が人間に愛されていることを確信するには、その知性ではなく、その身体を見るべきだ。
神は人間の知性を、あまりにも不完全な形で作りたもうた。
しかし、身体は完璧だ。全く非の打ちどころが無い程に美しい。


身体の美しさは、死せる静寂の中にあるのではない。
呼吸、摂食、代謝、排泄―――その動的均衡の中にある。


プロ・スポーツ選手や、ダンサー動きを見ると、
自分が身体のほんの一部しか活用していないことを思い知らされる。
リズムと歌とダンスさえあれば、人生が愛の喜びに満たされていることを知る。


頭が悪いから、ついうっかり忘れてしまうのだが、実は僕にも身体がある。
それはすなわち、僕だって神に深く愛されているということだ。
僕にも身体があるんだ!神様ありがとう!



誤解を恐れずに言う。僕は君の身体が好きなんだ。
この発言は失礼かい?いいや、違う。
君の身体を、僕の全身全霊を賭けて愛してる。
君が自分の身体を否定するなら、それは僕のすべてを否定するってことだ。



この映画で僕が好きな曲は・・・
コニーコリンズショーでみんなで自己紹介をする「The Nicest Kids in Town」。
高速でダンスを踊る「Ladies' Choice」。
ママ(ジョン・トラボルタ)を外出に誘う「Welcome to the 60's」。
黒人のリズムが良すぎる「Run And Tell That」。
最後に次々と登場人物が入れ替わって歌う「You Can't Stop The Beat」。


しかし、ナンバーワンは何と言っても「Without Love」だ。
そう、愛の無い人生なんて、まるで夏の無い四季みたいなもの。
あるいはドラムの無いロックンロール。
アポロ劇場に立つドリス・デイ
月曜日しかない一週間。
サンデー無しのアイスクリーム。
中心の無い円。
立ち入り禁止のドア。


そうだ、僕らには愛がある!
愛さえあれば僕らは最強だ。