恋とは、両手を広げて上を向き、グルグル回ること。

■プラクティカル・マジック
グリフィン・ダン監督/1998/米/原題:Practical Magic

「恋をしてみたいわ」と言う幼い娘に向かってサリーは言う。
「両手を広げて上を向き、グルグル回ってみたことがある?恋はそれよ」


胸がドキドキし、頭がクラクラし、天地がひっくり返ったようになる。
その酩酊感はまさに恋と同じだ。


サリーは母親らしく
「そんな時でも、ちゃんと周りを見ないと取り返しのつかないことになるわ」と警告する。


しかしサリーはきっと、その不可能性―――恋に対する自分の無力さ―――を自覚していたはずだ。
自分だって、「絶対に恋はしない」と固く心に決めながら、
それでも途方も無くマイケルに惹かれていったのだから。