嵐のような言葉の襲来。

高橋源一郎君が代は千代に八千代に」2002

君が代は千代に八千代に (文春文庫)

君が代は千代に八千代に (文春文庫)

馬鹿馬鹿しい話ばかりの短編で、スラスラと読めてしまうのだが、その言葉の鋭さにグサリと刺されてしまう。
少なくとも「素数」は「博士の愛した数式」の数倍衝撃的だし、「鬼畜」は「蛇にピアス」の頭二つ超えてる。
(それらは、まったく同じ要素を持って書かれているのだ)
嵐のような言葉の襲来の中に、静かな諦めと哀しみを感じる。