暴力としての小説。

筒井康隆朝のガスパール」1992

朝のガスパール (新潮文庫)

朝のガスパール (新潮文庫)

奇跡の新聞連載小説。
筆者は、小説/新聞/あるいはパソコン通信という『フォーマット』を
誰よりも理解し、忠実にその形式をなぞる。
丁寧に枠組みを組んだかと思うと、パロディ化し、強烈に痛罵する。
最終的に完膚なきまでに叩き潰すその圧倒的なパワーは、もはや表現ではなく暴力だ。
形式へのパロディ、痛罵は僕の夢にまで侵食してきた。